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【2025/9/29】第1シードのアルカラスが、第4シードのルードに逆転勝ち

[シングルス準決勝] ○カルロス・アルカラス(スペイン)[1] 3-6,6-3,6-4 ●カスパー・ルード(ノルウェー)[4]

■対戦成績ではアルカラスが4勝1敗と引き離しているが、今大会好調のルードの頑張りで試合は白熱した。その攻めは厳しかった。重い球を生かした後方からのストロークが武器だが、この試合ではラインの内側に入って放つ早いタイミングのショットや、先に攻める積極的なプレーも目立った。アルカラスは4度あったブレークポイントを生かせず、第1セットを落とす。

■ここまで押される展開は想定していなかっただろう。しかし、立ち直りは早かった。アルカラスは第2セットからの巻き返しについて、「チャンスを生かせず、感情のコントロールが難しかった。自分を落ち着かせることが鍵だった」という。

■「決して自分の調子が悪いわけではない。だから、自分にどんなことを言い聞かせるかだと考え、もっといいプレーを目指した。冷静になって状況をしっかり見極め、挑むだけだと考えた。ブレークポイントがあったのだから、チャンスはまたやってくることは分かっていた。だから、自分にポジティブな言葉を掛けるようにした」

■その自己暗示が功を奏した。攻撃的にプレーして相手を走らせるという作戦は準々決勝までと変わらない。クロスへの破壊的なショットと徹底的なドロップショット攻めで、重圧をかけた。ロングラリーを避けたのは、左足首にまだ不安が残り、ベースラインを駆け回るプレーをしたくなかったからだろう。相手は好調、自身の動きは100%ではないにしても、アルカラスの自信は揺るがなかった。

■決勝進出は今シーズン10度目となる。相手は第2シードのテーラー・フリッツ(米国)。「彼は本当に安定していて、攻撃的なプレーをしている。そして、自信に満ちている。今のレベルは相当高い。彼を倒すためにベストを尽くしたい」とアルカラス。「この挑戦が楽しみだ」という言葉に嘘はないだろう。

(日本テニス協会)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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