ニュース

【2023/10/20】望月慎太郎がポピリンを7-5, 2-6, 7-5で破り準決勝進出

[シングルス準々決勝]
○望月慎太郎(IMG Academy) 7-5,2-6,7-5 ●アレクセイ・ポピリン(豪州)

■ビッグサーバーのポピリンに21本のエースを決められた。ファーストサーブ時のポイント獲得率は76%に達した。このサーブを返し、ゲームを奪い、さらにセットを取るのは至難のわざと思われた。ヤマを張ったり「感覚に任せる」リターンはなかなか成功しなかったが、望月は「読みが外れるのは絶対起きることなので、少しでも何か(予測のヒントを)見つけ、少しずつ、後半に読めればいい」と開き直った。

■「我慢してやっていればチャンスが来ると思い、やり続けた」と望月。その我慢が、第1セット第12ゲームと、試合を終わらせた第3セットの最後のゲームに実を結んだのだ。「やり続ける」ことは望月の身上だ。走って粘って、食い下がる。やるべきことを決め、そこに徹底する。華麗なネットプレーとバックハンドのダウン・ザ・ラインが目立つが、土台にあるのは、そんな泥臭さだ。

■サービスゲームでも我慢が続いた。第3セット冒頭のサービスゲーム、さらに5-5からのサーブで計5度のブレークポイントをしのいだのが大きかった。「耐えるしか道はなかった。離されずに付いていって、ああやって、やり続ければ、相手も(終盤は)びびっていたし、やり続けられたのが一番大きかった」と望月は胸を張った。

■やる続けることは望月のキャリアにも通じる。相手をねじ伏せるだけのパワーはない。強打が主体の男子テニスで、戦術眼と勝負勘、俊敏な動きでポイントを奪う望月のスタイルは異色だ。19年のウィンブルドンジュニア・チャンピオンがプロツアーでなかなか開花しなかったのも、このスタイルが影響したと思われる。だが、望月はこれを大きく変えなかった。今大会でツアーレベルの初勝利から、ツアー初の4強入りと一気に階段を駆け上がったのも、自分を信じてやり続けた結果にほかならない。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
http://www.jta-tennis.or.jp/tennisfan/tabid/105/Default.aspx