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【2023/10/21】望月慎太郎はカラツェフに敗れ、決勝進出ならず

【シングルス準決勝】
○アスラン・カラツェフ(ロシア) 6-3,6-4 ●望月慎太郎(IMG Academy)

■結果はストレート負けだったが、望月は期待を裏切らなかった。準々決勝までのように、敏捷な動きで相手のショットに食らいつき、思い切りのいいダウン・ザ・ラインを放った。ネットに詰める速さ、ネットでの決定力は一級品だった。ただ、2度のブレークダウンが勝敗を分けた。第1セットは2-3からブレークを許し、第2セットは2-2からサービスゲームを落とした。一方、カラツェフはファーストサーブ時のポイント獲得率が85%と盤石で、望月は一度もブレークができなかった。

■カラツェフが恐れたのは、望月が2回戦と準々決勝で見せた爆発力だ。「もし自分が集中力を失えば、付け込まれる可能性もある」と警戒、要所要所で雄叫びを上げて自分を鼓舞し、緊張感を保って戦った。戦術的には、望月のネットプレーをまじえた攻撃を防ぐために「絶対に短いボールを送らず、ベースラインに貼り付けておくことに集中」したという。6-3,6-4のスコアは、そうした精神面、戦術面での十分な準備の結果だった。

■カラツェフは「どちらに転ぶか分からない試合」だったと振り返った。望月も「自分のプレーは良かった。ストローク戦になると結構、チャンスを取れていた。最初から最後まで高いレベルでできた。ポジティブなことしかない」と満点に近い自己採点だった。

■「こうやってタフな試合を何試合か乗り切れて、ここまで来られた。今日の試合もベストを尽くした結果なので、全く悔いはない」。主催者推薦で出場、ツアー初勝利を上げると一気に4強まで走った大会を望月は「素晴らしい1週間だった」と振り返った。一番の収穫は精神面だろう。「ここ最近、少し自信を失いかけた試合があったが、まずは自分を認めるというか、自信を持って試合ができていた。自分をコートで表現できた」と、迷いを打ち消す4試合になった。

■バックハンドのダウン・ザ・ラインやネットプレーの武器がトップ10のテーラー・フリッツ(米国)ら上位選手に通用したことも自信になったはずだ。カラツェフは「コートで何をやりたいかということをきちんと考えてきているのが印象的だった。そうした状態でプレーしているのはとても素晴らしい」と20歳のプレーを褒めた。

■月曜日に更新されるランキングでは130位前後に躍進する。来年1月の全豪に本戦から出場するには、もう少しポイントを積み上げたい。11月上旬から4週連続、国内で開催されるATPチャレンジャーから数大会を選んで出場する予定だ。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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