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【2026/10/1】錦織圭はティアフォーに敗れ、ツアー公式戦を終える

[シングルス1回戦]
○フランシス・ティアフォー(米国) 6-4,6-4 ●錦織圭

■錦織は、やはり最後まで負けず嫌いだった。リードを奪う場面こそなかったが、世界8位に食い下がった。第1セットは0-2のスタートからブレークを返し、2セットとも僅差の勝負に持ち込んだ。だが、試合後、コートで行われた松岡修造さんのインタビューでは「もうちょっと(本来のプレーを)見せたかった」という言葉があった。記者会見では、苦笑まじりではあったが、「今日の内容では(現役を)終われないな」と話した。

■試合後、「今日は(最後の木下グループ・ジャパンオープンに臨む)圭の日だと思っていた」と話したティアフォーだが、ボールを打ち合う間は別だ。全米で3度目の4強入りを果たすなど今季は好調で、3年ぶりにトップ10に返り咲いた。かつて憧れた錦織を警戒し、高い集中力で倒しにきた。ストレート負けは、両者の現状を見れば順当な結果とも言える。だが、それでも錦織は自身のプレーに満足せず、「よくなかったので悔しさは残る」と振り返るのだ。

■思えば、この負けず嫌いが30年を超えるテニス人生を支えたのだ。身長178センチは、190センチ超の大型選手に交じれば少年のように見える。それでも「小さい選手でもどうにか工夫すれば勝てる」と、心技体を総動員して世界4位の地位に食い込んだ。相手のパワーに対抗しようと常に力を出し尽くし、代償として何度も故障でツアーを離れた。だが、度重なる離脱にも心が折れることはなかった。

■「思い返して、苦しい時期の方が多かったが、これも僕の人生なので、避けることはできなかったし、闘うしかなかった。その中でも歯をくいしばって、ここまで頑張ってこれた」と錦織。試合を終えたベンチで「喪失感が押し寄せ」、思いがけず涙が溢れたのは、よく頑張ったという思いが心の底にあったからだろう。「ケガで何年も失った中で、最後の最後まであきらめずにプレーできたことが自分の誇りかなと思います」。満員に膨れ上がった有明コロシアムの真ん中で、錦織が胸を張った。